ML LAB / DOCUMENTATION
利用ガイド
CSVを読み込み、内容を確認し、必要な前処理・分析・予測を行って、結果を保存/出力する手順を説明します。
開始方法
- 配布されたWindows版は
MLLab.exeをダブルクリックします。既定のブラウザーでアプリが開きます。 - ブラウザーが自動で開かない場合は
http://127.0.0.1:4173/を開きます。アプリのサーバーが動作している間、このアドレスを利用してください。 - 作業メニューから「データ観察」「前処理」「統計分析」「予測モデル」「可視化」「レポート」へ移動します。
開発版を使う場合は、配布担当者が案内する起動方法に従ってください。通常の利用にターミナル操作は必要ありません。
起動できない場合は、同じアプリが既に開いていないか確認してください。固定ポートが使用中の場合は、先に開いたアプリを終了してから再度起動します。
ワークスペース
ワークスペースには、複数のCSVと各データセットの作業状態をまとめて保存できます。操作はサイドバーの「ワークスペース」欄にあります。
- 名前欄: 保存するワークスペース名を入力します。
- 保存済みを開く: 保存済みのワークスペースを選びます。未保存の変更がある場合は、保存・破棄・キャンセルを選択します。
- 保存: 現在のデータセットと設定をブラウザー内に保存します。
- ゴミ箱: 開いているワークスペースの保存データを確認後に削除します。現在のタブの作業状態は残ります。
保存状態は「未保存」「保存済み」「保存エラー」で表示されます。モデルやチャートなどの変更後は「保存」を押してください。保存前にタブを閉じると、その変更は復元できません。
データセット
最後の1件は削除できません。削除後は隣のデータセットへ切り替わり、変更は未保存になります。保存済みワークスペースへ反映するには「保存」を押してください。
CSVを選ぶと先頭行のプレビューが開きます。列がずれている場合は区切り文字を変更し、先頭行の扱いを確認してから「この内容で追加」を押します。キャンセルすれば作業中のデータは変わりません。
文字コードはUTF-8として読み込みます。Shift_JISなどの選択には未対応です。文字化けが見える場合は追加せずキャンセルしてください。サンプルボタンはファイルをダウンロードするだけです。ダウンロードしたサンプルを使うには「CSVを追加」から選びます。
データ観察
- 概要欄で行数、列数、欠損セル数、重複行数、数値列数を確認します。
- プレビューの検索欄で値を絞り込みます。列名を押すと昇順・降順に並べ替えます。
- 「列表示」を開き、チェックボックスでプレビューに表示する列を切り替えます。最後の1列は非表示にできません。設定はワークスペースに保存されます。
- 列プロファイルでは型、ユニーク数、欠損数と欠損率を確認します。列を開くと数値要約またはカテゴリ度数を表示します。
- 数値列ではヒストグラム/箱ひげ図を切り替えられます。外れ値候補は箱の幅を四分位範囲の1.5倍として判定した目安で、誤りや異常を断定するものではありません。
- カテゴリが11種類以上ある場合は、出現数上位10カテゴリ以外を「その他」にまとめます。ID・日付列は既定の分布表示から除外します。
- プレビュー表はスクロール位置の前後だけを描画します。スクロールして任意範囲の行を確認できます。
- 集計対象は現在のデータセット全行です。欠損は分布・数値要約から除外し、件数と欠損数を別に示します。
型や日付の判定は値の形式から推測するため、誤判定があり得ます。列名と値を合わせて確認してください。
前処理
- 「前処理」を選ぶと、変換プレビューに選択中データセットの元データが表示されます。操作からフィルター、文字列置換、欠損処理、並べ替え、列選択、数値変換、日付変換、数値派生列を選べます。
- 「部分一致する行を残す」は指定文字列を含む行を抽出します。「カテゴリ列を数量化」は空欄以外のカテゴリごとに0/1列を追加します。
- 「列内の文字列を置換」は選択列にある指定文字列をすべて置換します。大文字・小文字を区別し、置換後を空欄にすると一致部分を削除します。
- 「日時を指定粒度の列にまとめる」は新しい列名と年・月・日・時・分・秒の粒度を指定します。日時はUTC基準で粒度より細かい部分を切り捨てます。
- 対象列や値などを設定して「プレビュー」を押し、変換後の先頭5行と行列数を確認します。「レシピに追加」後も変換プレビューは適用結果を表示し続けます。
- レシピ項目はドラッグ、または「上へ」「下へ」で順序を変更できます。順序変更後のプレビューはレシピ全体を再適用した結果です。各操作は「削除」するか「最後を取り消す」で戻せます。
- 適用済み変換を出力する場合は「前処理後CSVを出力」を押し、対象行数を確認してダウンロードします。
元のCSVデータは保持されます。列の日付変換は入力書式にISO 8601(既定)、YYYY-MM-DD、YYYY/MM/DD、DD/MM/YYYY、MM/DD/YYYYと、各並びの日付時刻(HH:mm:ss)を指定でき、出力書式も選べます。時刻はUTCにそろえ、空欄は保持します。入力書式に一致しない値がある場合は変換を適用せず、エラー件数を表示します。数値派生列の式は加算・減算・乗算・除算に限定し、任意コードは実行しません。
統計分析
「統計分析」を開くと、現在のデータセットに適用済みの前処理と行検索フィルターが反映されます。
- 「相関」では数値列を最大8列選びます。相関係数は2列の値が一緒に増減する傾向の強さと向きを−1〜1で表します。正は同じ向き、負は逆向きです。セルを選ぶと散布図と直線を確認できます。欠損のある行は列の組み合わせごとに除外され、有効件数Nが表示されます。
- 「クロス集計」ではセルの値を件数、数値列の合計・平均・中央値・最大・最小から選べます。数値集計では各セルに有効Nも表示し、色の濃さで値の大きさを比較できます。欠損カテゴリは「(欠損)」として集計します。
- 「グループ集計」ではグループ列、数値列、集計方法を選び、件数、合計、平均、中央値、最大、最小を確認できます。数値の欠損・不正値は数値集計から除外し、有効数Nを表示します。表のグループ列または値の見出しをクリックすると昇順・降順に切り替わり、値の濃淡も比較できます。
相関係数は列どうしの関連の強さを表し、原因と結果は示しません。画面に表示されるp値は、相関がないと仮定した場合のデータ上の証拠の目安で、多数の組み合わせを調べたときの補正は行いません。
予測モデル
- 「分類」または「回帰」を選び、予測したい列を「目的変数」、判断材料にする列を「説明変数」に指定します。分類は種類(例: 継続/解約)、回帰は数値(例: 金額)の予測に使います。分類では各クラス3行以上必要です。
- モデルは目的に合わせて選びます。決定木/ランダムフォレストは条件分岐、k近傍法は似た行、線形モデルは列の足し合わせ、ニューラルネットワークは複雑なパターンを使います。SVRは現行実装では線形モデルです。
- 既定の学習/検証/最終評価比率は60/20/20です。「学習・検証・最終評価の比率」を開いて変更できます。合計は100%にしてください。分類は各クラスの割合を保って分割します。
- Accuracyは全体の正解率、Precisionは陽性と予測した中で正しかった割合、Recallは実際の陽性を見つけた割合、F1はPrecisionとRecallのバランスです。混同行列は実測と予測の組み合わせを件数で示します。ROC-AUCは二値分類でスコア順位を評価する指標です。
- 回帰のMAEは平均誤差、RMSEは大きな誤差をより重く見た値、R²は平均値だけで予測する場合に比べて説明できた変動の割合です。実測対予測図と残差図で誤差の偏りも確認します。
- 学習が終わると検証値と最終評価値が表示され、結果はデータセットへ追加されます。残しておくにはワークスペースの「保存」が必要です。
- 「新しいCSVへ適用」でモデルを選び、CSVを読み込んで推論します。目的変数列は省略できます。含まれる場合も予測特徴量には使わず、元列として結果に残します。学習時に使った説明変数列は必要です。
- 数値列の空欄は学習時の平均で補完します。数値に変換できない行は予測を空欄にして行番号と列名を示します。未知カテゴリは学習済みカテゴリ列をすべて0として扱い、件数を表示します。
- CSVに目的変数列が含まれる場合は、実測値と予測値を比較した評価指標・混同行列や、ROC/回帰グラフを表示します。目的変数列がない場合は精度評価を算出せず、予測結果のみを表示します。
- 推論結果を確認し、「予測結果をCSV出力」で元の行に予測列を追加したCSVをダウンロードできます。二値分類でスコアを得られるモデルは、クラススコア列も出力します。
評価は選んだデータの分け方とモデルに基づく過去データ上の値で、将来の結果を保証しません。平均/中央値補完をデータ全体から計算するレシピがある場合、評価への情報漏れを避けるため学習できないことがあります。
可視化
- 「可視化」を開き、チャート種類から始めて分類列、数値列、集計方法、必要なら系列やタイトルを設定します。設定欄は2列で、チャート種類に応じた入力だけが表示されます。
- 「チャートを追加」で現在のデータセットから作成します。棒、積上げ棒、折れ線、円、散布、ヒストグラム、箱ひげ図に対応します。積上げ棒は系列列が必要です。円グラフの負値は除外します。
- カードのPNGボタンで画像をダウンロードします。カード下部のドラッグハンドル、または「上へ」「下へ」で指標とチャートを並べ替え、「削除」で取り除けます。
- チャート設定を保存するには、ワークスペースの「保存」を押します。自動保存は行いません。
主要指標はレコード数、欠損セル、重複行、数値列の合計/平均/中央値/最大/最小、列のユニーク数から選びます。追加後はドラッグ、または「上へ」「下へ」「削除」で指標カードを整理できます。指標・チャート設定を保存するにはワークスペースの「保存」を押します。
可視化画面の「行検索フィルター」は観察画面の検索欄と共有され、適用済み前処理後の全列から部分一致する行を指標・チャートの集計対象にします。検索を消すと前処理後の全行が対象です。「上へ」「下へ」で指標とチャートをまとめて並べ替えられます。散布図は任意のカテゴリ列で色分けでき、凡例から系列を確認できます。
レポート
- 「レポート」を開くと、選択中ワークスペース/データセットの概要、前処理、列プロファイル、ダッシュボード、保存済みモデル評価、セッション内の統計/最新推論結果を確認できます。
- 分析をまだ実施していない章は未実施として表示されます。目的変数がない推論CSVでは予測値のみを表示し、精度評価は行いません。学習データ上の推論評価は独立評価ではありません。
- 「PDFとして保存」を押し、ブラウザーの印刷画面で「PDFとして保存」を選びます。レポートはこの端末のブラウザー内で生成され、CSV全行は外部へ送信されません。
統計結果と最新の推論結果は現在のタブのメモリ内に保持し、ワークスペースへ自動保存しません。タブを閉じるか別のワークスペースを開くと、一時結果はレポートから消えます。
保存とプライバシー
- CSVはブラウザー内で読み込みます。外部サーバーへの送信は行いません。
- 保存前の変更は現在のタブのメモリ内にあります。タブを閉じると復元できません。
- 保存操作後のワークスペースはこのブラウザーのローカル保存領域に保存され、同じブラウザープロファイルから開けます。
- ブラウザーデータやプロファイルを消去すると、保存したワークスペースも失われます。
分析方法や指標の詳しい説明は技術ガイドを参照してください。